不動産相続の相談は、内容によって相談先が異なります
不動産の相続となると、誰にどんなことを相談したらよいのわからず、戸惑う方も多いと思います。
不動産を相続するケースでもっとも多い場面は、ご両親が亡くなったときです。
精神的にも身体的にも大変な時期に不動産相続に関してわからないことがある場合、相談先を探さなければいけません。
そうした負担を軽減するためにも、事前に不動産相続の相談先を知っておくと安心です。
この記事では、滋賀・京都で遺言書作成や不動産名義変更のサポートをしている岩渕司法書士事務所が、不動産相続の相談内容別に適した窓口について解説します。
不動産相続でよくある相談とは?
「突然、不動産を相続することになった」
不動産を相続する機会は、長い人生の中でもそれほど多いことではありません。
人生の中で一度経験するかしないかといった方がほとんどではないでしょうか。
不動産を相続する際に多くの方が悩んだり相談したいと思う内容は、大きく分けると下記の3つであることが大半です。
相続に関する相談
これまで関係性がよかったはずの相続人同士でも、いざ相続となるとうまく話がまとまらないというケースは少なくありません。
遺言書があれば、誰が不動産を相続するのか、どのような方法で相続するのかが記されています。
しかし遺言書がない場合は、相続人同士での話し合いが必要となります。
不動産相続トラブルに多く見られるケースは、相続人で揉めたり、話し合いができないといった状況です。
当所ではダイアローグというアプローチでお互いに歩み寄るきっかけ作りをいたします。
相続登記に関する相談
不動産を相続する際に必要な手続きの一つに「相続登記」があります。
相続登記とは、不動産の名義変更を行うことです。
相続登記をせずにそのままにしておくと、不動産の登記謄本の名前は故人の名前のままとなり、売却や建築をすることができなくなってしまいます。
相続税に関する相談
不動産を相続したからといって必ずしも相続税を納める必要はありません。
相続税の基礎控除額内であれば、相続税の支払いは発生しません。
相続税の基礎控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。
相続する不動産の評価が高い場合や預金が多額にある場合は、節税のための相談をしたいという方もいます。
相談内容によって相談先は異なる
不動産を相続するにあたり、相談したい内容は人それぞれ違います。
不動産相続に関する相談は、専門的な知識が必要となることが多いため、それぞれの分野に精通した専門家に相談することが大切です。
ここでは、相談内容別に誰に相談したらよいのかわかりやすく解説します。
相続に関する相談は弁護士へ
不動産の相続におけるトラブルが発生した場合は、弁護士への相談をおすすめします。
相続の話し合いに協力しない法定相続人がいたり相続で揉めたりした場合は、解決調停の申立てが必要となるケースもあります。
調停を行う際は、弁護士がいるととても力強いです。
トラブルの解決はもちろんですが、その間の精神的な支えにもなってくれるはずです。
その他、相続のトラブルにおいて弁護士が行うことは、相続財産の調査や遺産分割協議書の作成などです。
相続登記に関する相談は司法書士へ
不動産の相続登記に関する相談は、司法書士に相談してください。
相続登記申請の代理権があるのは、司法書士のみです。
名義変更などの手続きは、法務局で所有権移転登記をする必要があります。
これは相続する本人が行うこともできますが、手続きが大変複雑なため相続登記の専門家である司法書士に相談することをおすすめします。
相続税に関する相談は税理士へ
相続税をはじめとして税金に関することは税務署に相談すればよいと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし相続税に関する相談は、税理士への相談をおすすめします。
税務署は手続きについて詳しく教えてくれますが、節税に関する内容や注意点までは教えてくれないことが多いのです。
また相続税を納める場合には、相続税申告書が必要となります。
相続税申告書の作成ができるのは、税理士のみです。
相談から手続きまで一括して行なってくれます。
相談先を選ぶ際のポイント
相談内容によって、相談するべき専門家をご紹介しました。
身近に弁護士や司法書士、税理士の知り合いがいるのであればすぐに相談することはできますが、多くの方はまず相談するために各専門家を探すことから始めなければいけません。
故人が遺してくれた大切な不動産であるからこそ、事務代行や手続き代行を事務的に行うのではなく、気持ちに寄り添ってくれる専門家に依頼することをおすすめします。
まとめ
不動産相続は手続きが複雑です。自分で行うこともできますが、時間と労力がとても必要なため精神的な負担も大きくなってしまいます。
そうした負担を軽減するために、各専門家がいます。
いざ不動産を相続するといった状況になったときに、相談内容によって相談先が異なることを知っておくと、スムーズに相続を行うことができます。
大切な人が遺してくれた大切なもの。
きっと遺された家族や身内のために、故人が大切に所有していたのだと思います。そうした思いを大切にしてくれる専門家に依頼することをおすすめします。
- ブログ筆者:
- 岩渕誠
事務手続きに「愛」をもたらす司法書士。 どんな手続きにもストーリーがあります。それが人生最後のストーリーならなおさらです。この人に事務手続きしてもらって心からよかったと思っていただけるように、愛情込めて事務手続きをいたします。