不動産相続の基礎知識|相続登記の5ステップ

亡くなった方が残してくれた家や土地。

相続が発生し、遺産の中に家や土地が含まれる場合は不動産相続の手続きが必要となります。

相続登記の手続きは非常に手間がかかり、中には相続が発生してから即日対応すべきこともあるため注意が必要です。

この記事では、滋賀・京都で遺言書作成や不動産名義変更のサポートをしている岩渕司法書士事務所が、不動産相続の流れや相続登記についての基礎知識について解説します。

不動産相続とは?

不動産を相続する際、不動産の名義を遺言者から相続人へ変更する手続きを「相続登記」といいます。

相続登記をすれば、遺言者の不動産の処分や賃貸への活用といった運用ができるようになります。

自分が所有している不動産である、と主張するためには相続登記をしなければいけないと民法で定められています。

相続登記のためには申請書の作成や公的文書の取得が必要になるため、主に専門家に依頼して手続きされています。

不動産相続は自分でできる?

不動産相続の手続きは、自分でもできます。

ただし必要書類が非常に多く、書類作成も難しいところが多くあります。

法務局や専門家に相談し、あらかじめ準備をしておく必要があるのです。そのため、確実かつ短期間で手続きをするなら、専門家に依頼することをおすすめします。

もし自分で相続登記をしたいという場合は、登記の相談や申請には法務局に足を運ぶ必要があります。

法務局窓口の取り扱い時間は、平日の午前8時30分から午後5時15分まで。

夜間や土日祝日に手続きや相談ができませんのでご注意ください。

オンライン申請のシステムも提供されています。オンラインで登記事項証明書等の交付請求ができますので、ぜひご覧ください。

[登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと供託ねっと]

(利用可能時間:平日 午前8時30分から午後9時まで)

相続登記の5ステップ

不動産を相続した場合に必要な相続登記の流れを5ステップでご紹介します。

ステップ1 :遺言書・相続人・相続財産の確認

まず遺言書の有無を確認します。

遺言書が残されている場合、その内容に従って進めていきます。

そして相続人を確認・確定し、遺産の確認をします。

遺言者の生前の借金などの債務がある場合、相続発生から3ヵ月以内なら相続放棄の申し立てを家庭裁判所に行えます。

相続放棄が受理された場合、債務だけでなくその他の遺産も相続する権利がなくなりますのでご注意ください。

当所での相続放棄は「テバナス、ウケトル」という独自のアプローチで、相続人の方に向き合っていただきます。

ステップ2 :遺言書・相続人・相続財産の確認

遺言者が確定申告を毎年している場合や年金所得者、給与所得者といった申告をすることで還付になる場合は故人の準確定申告を行います。

準確定申告で納税額が出る場合、相続発生から4ヵ月以内にしてください。

ステップ3:遺産の分け方を決める遺産分割協議

遺言書がない場合、遺産をどのように分けるかを相続人で話し合って決めます。

これが遺産分割協議です。

話し合いで合意した際には、遺産分割協議書を作成し相続人全員の署名・押印をします。

もし話し合いで決まらない場合は、専門家に相談してください。

当所ではダイアローグというアプローチで、お互いの気持ちや立場を理解しながら歩み寄っていただきます。

ステップ4 :相続財産の名義変更

遺産の分け方が決まれば、相続する財産の名義変更をします。

土地や家を相続する場合は所有者移転登記、車を相続する場合は車の名義変更といったように相続する財産によって必要な手続きが変わってきます。

そして多くの方が悩まされるのが、不動産の名義変更です。

不動産の名義変更は必要書類が多く、相続の状況によって手続きの内容も複雑になります。

ステップ5 :相続税の申告・納付をする

相続遺産の総額を算出し、そこから基礎控除額をマイナスした金額が相続税の価格になります。

相続税が算出できれば相続税申告書を作成し、必要書類を添えて税務署に提出。

不動産を相続する際には登記事項証明書・固定資産税の評価証明書・実測図など不動産関連の書類に合わせ、身分証明として相続人全員の戸籍(除籍)謄本・住民票・印鑑証明書などが必要になります。

相続税の申告は、相続発生を知った日の翌日から10ヵ月以内に申告・納税しなければいけません。

相続登記の手続きと同様に必要書類が多いため、早めの準備が大切です。

不動産相続を自分でする際の利点と気を付けたい点

不動産相続を自分でした場合の利点や気を付けたほうがよいことを押さえて、専門家に任せるのか、自分で手続きをするのか検討してください。

不動産相続を自分でする場合の利点

節約できる

不動産の名義変更手続きをすべて自分で行うことで、手続きに必要な費用が節約できます。

書類取得にかかる手数料はかかりますが、専門家に支払う数万円〜数十万円を節約できるという点が最大のメリットです。

自分のペースで手続きできる

専門家に依頼した場合、専門家との面談のために足を運ぶ必要があります。

そのための時間の確保をする必要がなくなり、自分のペースに合わせて手続きの準備を進められるのです。

相続登記に関する法的知識をもち、時間に縛られずに手続きをしたい方は自分で行うことも可能です。

不動産相続を自分でする場合の気を付ける点

法的知識が必要

不動産相続の場合、法的知識がなければ対応できない内容も多くあります。

自分で手続きをしようとすると、不明なことが出てくるたびに法務局に相談に行くこととなり時間と手間が大幅にかかります。

申告漏れに注意

相続税の申告でミスをしてしまった際、訂正するだけならペナルティはありません。

しかし相続税の申告漏れがある場合、追徴税と延滞税がかかってしまいます。

まとめ

不動産登記は相続発生から申告まで、幅広い書類を準備や作成する必要があります。

もし自分で進めるのに不安がある場合は、確実な手続きができる専門家への依頼をおすすめしています。

あなたの不動産相続の状況に合わせた最善をアドバイス・サポートしますので、まずは気軽に司法書士に相談してみてください。

ブログ筆者:
岩渕誠

事務手続きに「愛」をもたらす司法書士。 どんな手続きにもストーリーがあります。それが人生最後のストーリーならなおさらです。この人に事務手続きしてもらって心からよかったと思っていただけるように、愛情込めて事務手続きをいたします。