遺言書のこと

司法書士が遺言書を作成するとはどういうこと?

大切な家族のために、生前に遺言書を準備しておきませんか?

遺言書作成に強い専門家といえば司法書士と行政書士が代表的です。

大きな違いは、司法書士は相続手続きまでトータルでサポートできる点となります。

この記事では、滋賀・京都で遺言書作成や不動産名義変更のサポートをしている岩渕司法書士事務所が、遺言書作成における司法書士と行政書士の違いや知っておきたいポイントについて解説します。

ぜひ最後までご覧ください。

司法書士と行政書士の違いは?

相続手続きに強い専門家といえば司法書士と行政書士です。

しかしこの2つの違いはあまり知られていないのではないでしょうか。

まずはそれぞれの特徴をご紹介します。

司法書士

司法書士とは、司法書士法に基づく国家資格をもった専門職です。

個人や企業の代理として、裁判所や法務局に提出する法律に関する書類の作成や、手続きの代行を行います。

不動産登記申請や商業登記、遺言書作成や相続手続きが主な業務です。

そのため遺言書の作成だけではなく、相続後の相続手続きや不動産登記もまとめて依頼することができます。

行政書士

行政書士とは、行政書士法に基づく国家資格をもった専門職です。

主な業務は各種手続きや申請の書類作成になります。

飲食店の営業許可や権権利義務・事実証明に関する書類といった許認可の書類作成も仕事の1つです。

遺言書の作成は対応していますが、行政書士は登記手続きができないため相続後の手続きは司法書士に依頼することになります。

相続の手続き、司法書士にできること・行政書士にできること

遺言者が亡くなり相続する際、さまざまな手続きが必要になります。

その際に司法書士と行政書士、それぞれにできること・できないことをまとめました。

司法書士・行政書士、どちらも行えること

遺言書の作成

自筆証書遺言書や公正証書遺言書の作成ができます。

遺言者の意思を確認し、必要書類を準備し法的に有効な文面を提案します。

相続人の調査

遺言者の戸籍謄本等を取り寄せ、相続人が誰なのかを調査し確定します。

遺産分割協議書の作成

相続が発生した際、遺産をどのように分けたのか記す書類のことを遺産分割協議書といいます。

遺言書がない場合や一部遺言書に不備があった場合などに必要とされます。

司法書士のみ行えること

相続登記

亡くなった方の土地や家を相続する場合、不動産の名義を故人から相続人に変更する必要となります。

そして登記の手続きは行政書士にはできません。

司法書士は不動産の名義変更の登記や会社の登記といったさまざまな登記の手続きが行えます。

相続の登記は司法書士に依頼するのがおすすめです。

相続放棄の手続き

司法書士は、家庭裁判所に対して行う相続放棄の手続きも行えます。

行政書士は裁判所の手続きを行うことができないため、相続放棄に関すことは司法書士にご相談ください。

司法書士・行政書士、どちらも行えないこと

相続の内容によっては相続税を課される場合があります。

しかし相続税の申告業務を行えるのは税理士のみです。

そのため、司法書士と行政書士のどちらも行うことができません。

どちらも法律のプロである司法書士と行政書士ですが、相続後にできる業務の違いがおわかりいただけましたでしょうか。

司法書士が遺言書を作成するとどんな利点があるのか?

では、司法書士に遺言書作成を依頼する利点を5つご紹介します。

1.不動産登記のプロ

司法書士は不動産に関する法律知識や相続に関する法律知識をもつプロです。

不動産登記は登記に関する法律や税金、節税といった多くのことを判断しながら進めることで失敗のない手続きができます。

司法書士は総合的にサポートできますので、安心してご相談ください。

2.必要書類を取り寄せてもらえる

不動産登記簿謄本をどこでどうやって取得すればいいのか、ご存じでしょうか?その他にも遺言書に必要な書類をすべて揃えるのは、それだけでも一苦労です。

司法書士は遺言書作成に必要な不動産登記や戸籍謄本といった必要書類の取り寄せを代理で行えます。

司法書士に依頼することにより、漏れなく準備を整えて遺言書の作成ができるのです。

3.公証人とのやり取りもお任せ

公正証書遺言書は遺言書案を作成後、公証役場において公証人の立ち合いのもとで公正証書にします。

このとき司法書士に任せておけば法的に有効な遺言書案を作成してもらうことができ、何度も公証役場に足を運ぶ必要がありません。

公証人とのやり取りはすべて司法書士が行うため、確実な内容の遺言書を手間なく作成できるのです。

4.証人を依頼できる

公正証書遺言の作成には公証人に加え、2名以上の証人の立ち合いが必要となります。

つまり、遺言者・公証人・証人2名以上の合計4名以上が必要なのです。

証人には資格は不要ですが、未成年や相続人になると考えられる法定相続人、公証人の親族などは証人にはなれません。

財産に関する非常にプライベートな情報を扱う場ですので、法律のプロに身元がはっきりしている証人を紹介してもらうことをおすすめします。

司法書士に依頼をすれば、例えば司法書士と事務員で2人といった形で証人を立てられます。遺言書作成時に相談してください。

5.遺言執行者を依頼できる

遺言者の死後、遺言書を正しく執行するために遺言執行者を指定します。

遺言執行者は、財産目録の作成や不動産名義変更の手続きといった多くの手続きをしなければいけません。

相続人間のトラブルを防ぎスムーズに相続に関する手続きを完了するためにも、専門家に遺言執行者を選任してくことをおすすめします。

豊富な法的知識をもち、登記手続きも可能な司法書士に任せておけば正しく遺言書に従って執行してもらえます。

まとめ

遺言者の意思を遺言に残し、その意思を実行するまでまとめて任せられるのが司法書士です。

遺言書は親族に向けた最後の大切なメッセージ。

費用がかかるからといって安さで専門家を選ぶのではなく、あなたのメッセージを正しく届けるために寄り添ってくれるパートナーとして検討してみてください。

ブログ筆者:
岩渕誠

事務手続きに「愛」をもたらす司法書士。 どんな手続きにもストーリーがあります。それが人生最後のストーリーならなおさらです。この人に事務手続きしてもらって心からよかったと思っていただけるように、愛情込めて事務手続きをいたします。