遺言書作成を依頼できる専門家とは?

大切な家族のために、自分の想いや相続に関することを綴る手紙が遺言書です。

遺された家族にしっかり自分の意志を伝えるためにも、遺言書は信頼できる専門家に依頼して作成することをおすすめします。

この記事では、滋賀・京都で遺言書作成や不動産名義変更のサポートをしている岩渕司法書士事務所が、遺言書作成は誰に依頼するのがいいのか、各専門家別の特徴について解説します。

遺言書ってどんなもの?

亡くなった方の財産は「遺産相続」という形で遺された家族に分配されます。

民法上、相続人には順位がつけられており、その順位によって相続割合も決まっています

。原則として法定相続人となるのは配偶者や子などの血族のみです。通常であれば、この「法定相続」によって相続は行われます。

しかし、その法定相続ではなく「誰に何をどのくらい相続させたい」ということを誰しもが一度は考えたことがあると思います。

その意思を遺言書によって指定し、相続をすることを「指定相続(遺言相続)」といいます。

そのため、長男の嫁・内縁の妻、お世話になった友人など法的相続人ではない人に遺産を相続させることができます。

遺言書はその名の通り「あなたの遺志を遺された家族・友人に伝える最後の手紙」です。

あなたの大切な人たちが遺産相続で争うことがないよう、あなた自身の意思を生前に書き留めておくことで、その遺言の意向に沿って遺産分配を行います。

遺言書の作成方法

遺言書は自分の意思を書けば効力が発生するわけではなく、法律で定められた要件や形式があります。

各専門家に依頼せずに作成する「自筆証書遺言」という遺言書もありますが、要件を満たしていない場合は公式な遺言書として扱うことができず、せっかく作成した自筆証書遺言が無効となってしまうケースもあります。

そういった事態にならないためにも、信頼できる各専門家へ事前に依頼してください。

心配事や複雑な手続きによる負担を取り除くことができます。ではどの専門家に依頼するのがいいのでしょうか?

各専門家の特徴

遺言書の作成は、各専門家に依頼することで不安要素を取り除くことができます。

しかし、「どの専門家が自分のケースに合っているのかわからない」という人も多いはず。ここからは各専門家の特徴を紹介していきます。

弁護士

普段からテレビドラマや書籍などで登場する姿を目にする機会が多く、広く認知されているのが弁護士です。

彼らは「法律のプロ」であり、遺言内容によって紛争などが起こりうる可能性がある場合には心強い存在になります。

<特徴>

・紛争、訴訟が起こった場合に「代理人」として交渉することができます。代理人として交渉を行うことができるのはご紹介する専門家の中でも弁護士だけです。

また、争いが起こる可能性がある場合は遺言書作成時に相談することも可能です。

・複雑な案件を多く扱うことができる半面、その分費用(手数料)が若干高くなります。

一般的な財産(1千万以下程度)であれば遺言書の作成費用は20~30万円程度ですが、財産が多い場合は数百万円になることもあります。

司法書士

司法書士は不動産の登記を専門としています。

遺産の中に「不動産」がある場合は司法書士に依頼することがよしとされています。

<特徴>

・元々不動産や土地の登記申請(名義変更)をメインとして行っているのが司法書士なので、所有している土地・不動産がある人の頼れる味方となってくれます。

・相続問題で紛争が起きた場合「簡裁訴訟代理権認定」を受けた司法書士であれば、一定の条件下で代理人になることができます。

ただし、すべての司法書士が相続争いの代理人になれるわけではないので事前に確認が必要です。

・財産の多寡に関係なく、遺言書作成費用の相場は7~15万円程度です。

税理士

税に関するスペシャリストの税理士。相続税などが発生する際には税理士に依頼するといいです。

<特徴>

・相続税の計算・申告を事前に行うことができるのが税理士の強みです。

生前からしっかり対策ができるので不安要素を取り除くことができます。

・遺産やその案件の複雑さによりますが、料金相場は10~50万円となる場合が多いです。

・あくまでも税務に関する専門家であり、遺言書作成を取り扱う税理士は数少ないのが現状です。

・遺産相続による紛争が起きた場合、代理人として相手と交渉することはできません。

行政書士

行政書士は書類作成の専門家です。そのため、気軽に遺言書を作成したい人や費用を抑えたい人におすすめです。

<特徴>

・司法書士同様、7~15万円程度の料金で請け負ってくれる事務所が多いため、依頼のしやすさがメリットです。

・あくまでも書類作成が専門のため、争いが起こってしまった場合、相談はできません。

あなたに合った専門家を

遺言書の作成は各専門家にとって難易度が高いわけでもなく、大きな差があるわけでもありません。

しかし、あなたの相談したい内容(不動産・法定相続人外への相続)によって、適した専門家がいます。

自分に合った専門家を見極め、相談するということが大切です。

信頼できる専門家に出会えれば、大切な家族のためにしっかり自分の意志を残すことができます。

ブログ筆者:
岩渕誠

事務手続きに「愛」をもたらす司法書士。 どんな手続きにもストーリーがあります。それが人生最後のストーリーならなおさらです。この人に事務手続きしてもらって心からよかったと思っていただけるように、愛情込めて事務手続きをいたします。